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2014年1月
前進するアベノミクス

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4.具体的な施策例

民間セクターの構造改革

  • 生産性を向上させ、企業収益を高めるため、企業の事業再編を促進し、ベンチャーや新事業を生み出す仕組みを構築。
  • 投資減税による法人負担の軽減などによって、積極姿勢に転じた企業を後押し。
  • コーポレートガバナンスの強化
  • 攻めの企業経営を後押しすべく、社外取締役を原則として導入(会社法改正案を2013年11月に国会提出)。また、東証の上場基準における社外取締役の位置づけを明確化。
  • 機関投資家の受託者責任に関する原則の確立(2014年2月中に取りまとめ)。
  • 収益性やコーポレートガバナンスの高さも考慮した新たな株式指数(JPX日経400)を東証等が公表。1月から算出開始。
  • 民間投資の活性化
  • 先端設備への投資に対し特別償却または税額控除を認める仕組みを創設。
  • 事業再編の促進
  • 収益力の向上に向け事業再編を行う場合に、リスクに備え積み立てた損失準備金を損金算入する仕組みを導入。
  • チャレンジできる仕組みの構築
  • 企業単位で規制特例を認める制度(企業実証特例制度)を創設。
  • ※企業実証特例制度の活用が見込まれる分野の
    例:燃料電池車両の実用化に向けた実証、物流用電動アシスト自転車の公道走行実証 等

2013年秋の臨時国会で「産業競争力強化法」が成立。

  • ベンチャー投資の促進
  • クラウドファンディングによる資金調達の仕組みを法的に位置付ける法案を2014年1月の国会に提出予定。

女性の活躍推進

  • 施策を総動員し、2020年に女性の就業率(25歳~44歳)を73%(2012年68%)、指導的地位に占める女性の割合を30%程度に。
(1)女性の活躍を支える基盤整備(待機児童解消加速化プラン)
※施設数、利用児童数は認可保育所のもの。

2015年度までに約20万人分、2017年度末までに、潜在的な保育ニーズも含め合計約40万人分の保育の受け皿を新たに確保

(※)保育所の現状:施設数:約2万4千か所、利用児童数:約222万人、待機児童数:約2万3千人

  • 支援パッケージ
  • (1)賃貸方式や国有地も活用した保育所整備(「ハコ」)
  • (2)保育の量拡大を支える保育士確保(「ヒト」)
  • (3)小規模保育事業など新制度の先取り(即効性のある受け皿確保)
  • (4)認可を目指す認可外保育施設への支援
  • (5)事業所内保育施設への支援
(2)女性の活躍促進に向けたインセンティブ
  • 女性の活躍促進や仕事と子育ての両立支援に取り組む企業を、助成金や税制により支援
  • 企業に対し役員・管理職への女性の登用状況などの情報開示を働きかけ。1月頃に企業における女性の登用状況を内閣府HP
    http://www.gender.go.jp/english_contents/index.html
  • 2013年4月には安倍総理自らが企業トップに対し女性の登用の促進を要請
(3)政府自らの率先した取組み
  • 女性の採用・登用の拡大や仕事と子育ての両立支援について、政府が率先して取り組む(国家公務員のトップクラスの幹部へも複数の女性を登用)

海外からの人材の受け入れ

  • 2012年に導入された「高度外国人材ポイント制度」を見直し、高度外国人材の受入れ数(2012年5月~2013年4月の実績:約430人)を飛躍的に増加。
  • 国立大学改革の一環として、外国人研究者等の採用を拡大。今後3年間で1,500人程度の常勤ポストを国内外の優秀な若手研究者等に提示。
高度人材ポイント制の見直しの方向性
  • 従来の制度
  • 外国人材の活動内容を(1)学術研究活動、(2)高度専門・技術活動、(3)経営・管理活動の3つに分類。活動の特性に応じ「学歴」「職歴」「年収」「研究実績」などの項目ごとにポイントを設定して評価。
  • ポイントの合計が一定点数に達した場合に、出入国管理上の優遇措置(永住許可までの在留期間の短縮(通常10年→5年)、親・家事使用人の帯同許可 等)を与える。

改革後
  • 「年収」基準において考慮される報酬の範囲の拡大(海外の事業所から受け取る報酬も年収として合算を認める)
  • 学術研究活動における「研究実績」に係るポイントの引上げ、一定の専門職学位(MBA、MOT)に関するポイントの加算
  • 親・家事使用人の帯同が許可されるための年収要件の緩和
  • 永住許可までの在留期間を短縮(5年→3年) 等

研究開発力の強化

  • 省庁縦割りを廃し、成長戦略に基づく資源配分を実現するため、「総合科学技術会議」の司令塔機能を強化。
  • 基礎研究から出口までを見据えたロードマップに基づき重点的に資源配分を実施。
  • また、研究者の適切なキャリアパスを保証するための仕組みを整備。
  • 「戦略的イノベーション創造プログラム」
    (SIP:Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)
  • 府省・分野の枠を超えた横断型プログラム。
  • 総合科学技術会議が課題を特定し、予算を重点配分。
  • 「革新的研究開発推進プログラム」
    (ImPACT:Impulsing PAradigm Change through disruptive Technologies)
  • 我が国の産業、経済、社会に大きなパラダイム転換をもたらすハイリスク・ハイインパクトな研究開発を推進。
  • 研究者のキャリア形成に係る環境整備
  • 大学、民間企業等の研究者、技術者等(※)が無期労働契約に転換する期間を、5年から10年に延長。
  • これにより、若手研究者等が複数の研究機関においてキャリアを積み、5年より長い間をおいて評価されるという国際標準に沿ったキャリアパスが実現可能に(2013年秋の臨時国会で研究開発力強化法成立)。
    (※)民間企業の研究者は大学等との共同研究に専ら従事する者が対象。

健康・医療分野をはじめとするICTの利活用

  • 医療・介護・予防分野でICT利活用を加速。健康づくりの推進や医療費の適正化を促進。
  • 社会保障・税分野において、2016年から番号制度を導入。行政サービスを効率化・迅速化。
  • 政府CIOのもと、電子行政サービスを推進。地理空間情報、統計情報などの公共データを民間に利用しやすい形で公開し、新たなビジネス創出を支援。

医療分野の取組例:レセプト情報のICT化、「データヘルス計画」の作成

PPP/PFIの活用拡大

  • 専ら官が担ってきた社会資本整備に、大胆に民間の資金や知恵を導入。効果的・効率的な整備・運営を可能とするとともに、民間企業に大きな市場と国際競争力強化のチャンスをもたらす。
  • 特に、「所有」と「運営」の主体を一致させる発想を改め、公共施設について民間事業者による自由な運営を認めるコンセッションを推進。
  • 今後10年間で事業規模を12兆円(現状:4.1兆円)とする。
  • コンセッション方式の対象拡大公共施設の民間事業者による経営である公共施設等運営権制度(「コンセッション」)の導入を推進
  • 事業例:
    ・関西国際空港
    ・大阪国際空港
    ・仙台空港 等
  • 首都高速老朽化対策への民間資金の導入
  •  上部空間の利用により、首都高速道路の老朽化対策を民間都市開発と一体的に行うなど、PPP事業の活用を推進(築地川区間等をモデルケースに実施)。

高効率火力発電の活用

  • 世界に十分な電力を供給し地球温暖化対策に貢献する鍵は、石炭火力の高効率化。2010年では、石炭火力は世界の発電電力量の40%以上を占める。
  • 日本の石炭火力発電関連技術は世界でも最高水準であり、少ない石炭投入量で発電電力量の確保が可能。世界へもこの技術を積極的に展開。COP19で明らかにした温室効果ガス削減目標(2005年度比で3.8%削減)においても他国への技術普及による二国間オフセット・クレジットを勘案。
  • 環境アセスメントの明確化・迅速化を図り、民間企業が高効率な火力発電に円滑に投資できる環境を整備(例:火力発電のリプレースの場合は、通常3年かかる手続期間を最短1年強に短縮)

再生医療実用化の促進

  • 2013年秋の臨時国会において再生医療等安全性確保法等が成立し、各種の再生医療等技術が、迅速かつ安全に実用化されるための仕組が整備された。
  • (取組例)「再生医療の実現化ハイウェイ」採択課題例
    (1~3年目までに臨床研究到達を目指すもの)
  • iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植による加齢黄斑変性治療の開発
  • 滑膜幹細胞による膝半月板再生
  • 培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法の開発
  • 培養ヒト角膜内皮細胞移植による角膜内皮再生医療の実現化

再生医療の特性を踏まえた規制の検討

医療機関から外部機関へ培養加工委託を可能に。また、一定数の症例によって有効性が推定され、安全性が確認されれば、条件及び期限付きで市販を可能とする早期承認制度を実現へ。

「国家戦略特区」の創設

  • 総理大臣、特区担当大臣等が自らのイニシアティブで特区を指定するとともに、特区ごとの規制の特例措置の適用を決定。そのための法的枠組みが2013年秋の臨時国会で成立。
  • 大胆な規制改革等を実行するための突破口となることが期待される。

農地集積・集約・大規模化

  • 法人経営、大規模家族経営、集落営農、企業などの新たな農業の担い手への農地集積と集約化を進め、今後10年間で法人による経営体数を、2010年に比べ約4倍の5万法人とする。
  • 農業構造の改革と生産コストの削減を推進するため、分散した農地を集積する機能を担う「農地中間管理機構」を各都道府県に整備。そのための法的枠組みが2013年秋の臨時国会において成立。
  • 目標
  • 今後10年間で、担い手の農地利用が全農地の8割を占める農業構造を実現(農地の集積・集約化でコスト削減)

スキーム

外国人旅行者の招致

  • ASEAN諸国を中心としてビザの緩和により外国人旅行者を招致。また、海外の富裕層を念頭に、一定の要件を満たす外国人の長期滞在を可能とする制度の導入を検討。
  • これらにより、2013年に訪日外国人旅行者数1000万人を達成(2012年:836万人)し、2030年には3000万人を超えることを目指す。

訪日外国人旅行者数の推移

最近のビザ緩和措置

外国人旅行者への消費税の免税

外国人旅行者への消費税免税の対象品目を、2014年10月から飲食料品や化粧品等の消耗品へ拡大するとともに免税手続を簡素化する。